暇な時のお供

5分程の暇な時にどうぞ。

人を蹴り殺した過去を持つ知人と、全国初の犯罪をしてしまった過去を持つ僕の、そういう生き方しか出来ないという言葉。

どうも、バツイチ・前科持ち・中卒・個人事業主・実家の借金8億と五重苦の人生を歩んでます。
Daichi(@daichisakedaichi)です。
「湯船に浸かってる時にしか更新しない」をルールに始めてますこのブログ、コンセプトは「暇な時のお供」です。
通勤の電車の中、外食時の料理が出て来るまで、待ち合わせ場所に5分早く着いた時などにしか読まないで下さい。

 

「人を蹴り殺した過去」を持つ知人が僕には居ます。

知り合ったのは数年前、初めて会ったのは、その知人が正に刑務所から出所した当日。一緒にその時に飲んで居た友人に連絡があり「ごめんちょっと付き合って貰えない?」と言われ、行った先が出所祝いの場。

キャバクラで大声で騒ぎ、「懲役の話」を聞かれてもないのに話し、(とんでもない場に来てしまったなぁ)が最初の印象でした。

 

しばらくして、婚約破棄をされて愛猫2匹も居なくなり、メンヘラと化していた時に良く飲む相手になっていて。

 

2人で飲むと、ただただ穏やかで。

本当に人殺してるの?と思ってしまう程、普通に穏やかで。

お互いの、恋愛の話しや仕事の話しを、場末の赤提灯が下がっているホルモン屋で話しをしてて。

 

「俺はこういう生き方しかもう出来ないから。」と言う相手に、

「何言ってるの、これからだよこれから。」と言う自分。

 

僕自身、その感覚はとても良く分かるんです。

僕も、留置場から出て来た後、しばらく同じような事を思ってたし、心のどこかで未だにそう思ってると思います。

 

「こういう生き方しか(もう)出来ない。」

普通に暮らしたいのに、周りはそれを許してくれない。

 

「あいつとは関わらない方が良い」

「出来れば関わりたくない」

 

関わった人間から言われるならまだ分かる。でも、さほど知らない人からこそ言われるし、そういう情報が自分の元に何故か入って来ます。

「〇〇がこう言ってたよ」みたいな話しをしてくる奴は本当に滅びて欲しいですよね。本当に何のメリットも無い。

必死にこれからの人生を間違えないようにと、沢山学んで沢山考えて、一つ一つ慎重に歩いてるのに、そういう声があるのを知ると

「それが望みか。じゃあ望み通り、そうなってやるよ」とヤケになりそうになります。

関わらない方が良いと言う気持ちは痛いほど分かります。

逆の立場だったら同じように思っているはずだし、それを否定するつもりも無いです。そう言われる覚悟も常に持ってるし、大抵は堪える事も受け入れる事も出来ますし、悲しいですが。

 

2人だけで飲んでいる時や、当時の僕の婚約者と3人で飲んでいる時は、紳士過ぎる程の話し方だし飲み方な、その知人が豹変するのは、知人を慕ってくる後輩が居る時です。

 

「〇〇(知人の名前)先輩!あいつこんな事言ってたんで、ぶっ殺しましょうよ!」「ちょっとあいつナメてるんで、ガチガチにやってやりましょうよ!」

などと大声で口に出し、店員に

「おい!頼んだ酒まだか!〇〇先輩がずっと待ってんだろうが!早くもって来んかい!!!」と怒鳴る。

 

「おい、そう言う言い方やめろ。〇〇君の評判が悪くなるでしょ」と僕が言うと「あ、はいすみません」と言うものの、5分後には同じ事の繰り返しなんです。

そして、その知人も同じように荒ぶって話をし、酒を飲み、テーブルを殴ったり襖を蹴破ったりしてしまうんです。

あんなに、2人の時は穏やかで優しかったのに。

自分の彼女を蹴ろうとして、それを止めようと、動き出してる知人の足に向かって思いっきり蹴って、2人で別々に反対方向に衝撃で弾け飛ぶという経験もありました。

 

そういう生き方しか出来ないのは、

環境の問題もあるんだなぁと思ったんです。

 

後輩の前だから強がる事しか出来ない。

暴力団の息子だから、そうなるしかない。

 

自分自身の意思も勿論だけど、周りの環境も同じくらい大切で。

 

一緒に遊んで居る期間に、その知人は嫁

と喧嘩をし、軽く蹴ったら被害届を出されて、示談がまとまらないと刑務所行きが確定するという事もありました。

 

「示談金で後30万円足りないんだよね。」と、飲んでいたキャバクラの席で突然言われて、「そんなん今すぐ渡すからこれで何とかしなよ。」とその場で30万円渡して。

渡した後に、お互いの共通の友達からメチャクチャ怒られたんです。

「何お金渡してるの?」

暴力団の息子はどこまで行っても暴力団の息子なんだからさ」

僕が僕の意思で渡したから、怒らせてしまって申し訳ないなぁと思いましたし、こういう扱いをきっとずっとされてたわだろうなぁ…と悲しくなりました。

 

僕は韓国人を祖父に持つクォーターで、実家はパチンコ屋で。

知人は暴力団の組長(?)の息子で、同じく韓国人のクォーターで。

どんな風に言われて今まで来たのか、何となく分かるので、余計に悲しい気持ちになりました。

 

数日後、知人のLINEのタイムラインに、彼女と室内露天風呂のある温泉で笑顔で写る写真がUPされました。

 

きっと、心からホッとする時間だったんだろうなぁと、素直に良かったねと思えました。もしかしたら、渡した30万円の一部を使ってるのかもしれないけど、そんな事は別に大した事じゃなくて。

 

心からホッとする場所

それが、今までずっと一番欲しくて、周りが当たり前に持っているモノで、憧れて来たモノなのを僕も痛いほど分かるからです。

 

その後、示談がまとまらず、刑務所に入るのも決まった後に行われた、「送り出す会」が、僕が最後に会えた日でした。

自分の経営している店とはいえ、壁をボコボコに殴って大穴開けるわ、後輩をもボコボコにするわ、彼女に怒鳴るわ、目が合えば喧嘩しようとするわ、それらを煽りに煽る後輩達と、ガッカリしながら見ている同級生の僕ら。

しまいには同級生の僕らも互いに取っ組みあったり変な勘ぐりをしたり、喧嘩する寸前のような、異様な環境と恐ろしい緊張感が最後に会った日。

 

刑務所に行くのは、怖いし寂しいよね。出て来て、誰が居なくなってるのか、考えたくないし、出来るなら誰も居なくなって欲しくないよね。だから、どうしたら良いか分からなくて、暴れちゃったんだろうなぁ。そんな様子を目の当たりにした僕らも、どうしたら良いのか分からなくて、喧嘩になりそうになってたし。

 

今年の夏前に、一通のLINEが来たんです。

「ただいま!帰って来たよ!」

 

僕はそれに「お勤めご苦労様です飲もう」と返しました。

 

今、どんな環境にいるのか分からないし、何をしているのか分からないけど、出来れば「こういう生き方をしてみようと思う」って考えて欲しいなぁと思います。

 

そして、周りの環境や、普通の人の普通の価値観で、これ以上僕らが自分自身に諦めたり嫌になったり、ヤケになったりしないように、穏やかに穏やかに過ごせたらと思います。

 

いつだって、なりたい自分になれるし、なりたい自分のままいれる強さを、そろそろ身に付けたいなぁ。